悔しがる「タケ」:スペイン語独特の表現で感情を表そう! - 久保建英選手で学ぶサッカーdeスペイン語

悔しがる「タケ」:スペイン語独特の表現で感情を表そう!

現在、スペインのサッカーリーグ「ラ・リーガ」の名門チーム、レアル・ソシエダ(Real Sociedad)に所属している久保建英選手。チャンピオンズリーグ(通称CL)でも大活躍でしたね

今回この記事で紹介するのは、2023年2月19日に久保選手が、ラ・リーガの試合で「セルタ・デ・ビゴ(Celta de Vigo、以下セルタ)」というチームと対戦した後のインタビューです。

 

試合の流れをおさらい

まず始めに、試合について振り返ってみます。

久保選手は、レアル・ソシエダのミッドフィルダー(以下、M F)で、この試合でも先発出場していました。M Fはサッカーにおいて重要な役割で、サッカーコートの中間で攻撃と守備の両方をバランスよくこなすことを求められます。よく言われるM Fの重要な役割は「アシスト」です。ゴールを決める攻撃選手「フォワード」にラストパスを送る役割となります。

この試合で、久保選手は開始5分後に、相手選手をかわして、先制点を決めた選手にアシストをしました。試合途中でも鋭いパスやシュートを行い、会場は非常に盛り上がりました。

後半30分ごろ、相手チームのレナト・タピア選手が2回目の警告を受け、レッドカードを受けて退場します。

これで試合に出ている選手の数は、レアル・ソシエダが11人でセルタが10人となり、レアル・ソシエダに有利な状況になります。

しかし試合終了間際、レアル・ソシエダがオウンゴールを入れてしまい、同点に。そのまま試合は引き分けで終了します。

久保選手は、その試合の中で最も印象に残るプレーをした選手に贈られる称号である「マン・オブ・ザ・マッチ(通称MOM)」に、前の2試合から引き続いて選出され、試合終了後のインタビューに答えています。しかし、試合の流れについては、決して彼の思う通りではなかったようで、取材では悔しさをにじませています。

今回のインタビューは、そのMOMに選ばれた後のインタビューです。

今回の動画はこちら↓↓↓

 

インタビュアーとのやり取り

久保選手は「たけふさ」なので「タケ」と取材でいつも呼ばれています。

0:00~0:15

インタビュアー:

Take, bueno hoy has tocado la cara amarga, que te empaten al final, siempre deja eso muy mal cuerpo.
タケ,ブノ オイ アス トカード ラ カラ アルガ,ケ テ エンテン アル フィル,スィンプレ ハ エソ ムイ マル クルポ.
タケ、今日は苦い表情ですね。最後に引き分けに持っていかれるというのは、いつでも悔しい思いが残りますね。

久保選手:

Bueno, por la forma y en el momento que hemos encajado, pues, parece que se nos ha escapado la victoria, pero también es verdad que ellos tuvieron ocasiones.
ブエノ,ポル ラ フォルマ イ エン エル モメント ケ エモス エンカハード,プエス,パレーセ ケ セ ノス ア エスカパード ラ ビクリア,ペロ タンビン エス ベルダ ケ エージョス トゥエロン オカスィオス.
まあ、試合の状況を振り返ると、勝利を逃したような感じがしますが、対戦相手にも確かにチャンスはありました。。

porポル la formaフォルマ y enエン elエル momentoモメント que hemosエモス encajadoエンカハード,」の部分について、翻訳では「試合の状況を振り返ると」とまとめていますが、直訳すると以下の通りです。

 「私たちのチームが(試合中に)耐えていたやり方や時間に」

※Por la forma que ~(ポル・ラ・フォルマ・ケ)=~のやり方

 En el momento que~(エン・エル・モメント・ケ)=~の間

 また、「勝利を逃したような」の部分のスペイン語は「pareceパレーセ que se nosノス escapadoエスカパード la victoriaビクトリア 」にあたりますが、直訳すると「勝利が私たちから逃げて行った」となります。

 このように、スペイン語では、日本語であまり使わない表現がたくさんあるため、理解するには少し訳を工夫しなければならないことがよくあります。久保選手は、幼いころからスペインにいただけあって、自然に「スペイン語らしい」表現を使いこなしていますね。

 

0:15~

インタビュアーは、その後試合の展開について久保選手に質問します。

出だしは好調だったにも関わらず、その後相手に対してオープンになってしまったことについてです。

試合全体の展開についての質問

久保選手:

Sí, yo creo que, pues, desde la expulsión de ellos teníamos que controlar un poquito mejor el partido, ¿no?
スィー,ジョ クレオ ケ,プエス,デスデ ラ エクスプルスィン デ  エージョ  テアモス ケ コントロラール ウン ポキート メホール エル パルティード,ノ⤴︎
そうですね。相手の退場から、僕たちはより良く試合をコントロールするべきでしたね。

サッカー以外でも使う表現、expulsión(エクスプルスィオン)という表現が出てきました。今回は「退場」という意味ですが、「退学」「除名」という意味があります。基本的には「中から外に無理矢理出される」という意味があり、それが発展して「退場」などの意味を持ちます。

今回はレッドカードでの相手チームの選手の退場に、この表現が使われています。

 また、ここで久保選手は、「teníamosテニアモス que controlar コントロラール unウン poquitoポキート mejor メホール elエル partidoパルティード, ¿noノ⤴︎?」と言っています。ここの「¿no?(ノ⤴︎)」に注目したいと思います。

これは、「そう思うでしょ?」「だよね?」という意味があります。久保選手は、インタビュアーも同じように思っているという前提で話しているのです。

この「¿no?」は、その後も続きます。

 久保選手:

Sabiendo, entonces teniendo en cuenta que ellos están con uno menos, pues, intentar tocar más balón y no dar tantos pases hacia atrás porque, yo creo que nos complicamos solos, ¿no?
サビンド,エンンセス テニンド エン クンタ ケ エージョス エスン コン ウノ ノス,プエス,インテンタール トカール マス バン イ ノー ダール ントス パセス アスィア アトス ポルケ,ジョ クレオ ケ ノス コンプリモス ソロス,ノ⤴︎
対戦相手が1人少ないことを考えても、もっとボールを繋いで、後方へのパスを控えるべきでした。僕らが自ら複雑にしてたように思います。

ここの、特に以下の部分です。

 yoジョ creoクレオ que nosノス complicamosコンプリカーモス solosソロス, ¿noノ⤴︎?(僕らが自ら複雑にしてたように思います)

 久保選手は、自分たちのプレーによって、必要以上に試合の流れを複雑にしてしまい、本来であれば、すでに1人退場していた相手チームに勝てるはずだったにも関わらず、最終的に引き分けとなってしまったことについて、インタビュアーもそう感じているだろうと思ってこのように発言したのですね。

 

相手についてもしっかり認める

引き分けとなった試合ですが、久保選手は相手の試合の姿勢をしっかり認めています。

0:51~

久保選手:

Sí, como te he dicho, al final ellos también tuvieron ocasiones. Si hubiéramos ganado, pues, nosotros contentos y ellos frustrados. Y con el empate ellos seguro que más contento que nosotros, pero también ellos tuvieron ocasiones.
スィー,コモ テ ヘ ディーチョ,アル フィル エージョス タンビン トゥビロン オカスィオネス.  スィー ウビラモス ガナード,プエス,ノソートロス コンントス イ エージョス フルストラードス.  イ コン エル エンテ エージョス セグーロ ケ ス コンント ケ ノソートロス,ペロ タンビン エージョス トゥビロン オカスィオネス.
さっきも言ったように、最後の方では彼らにもチャンスはありました。もし僕達が勝っていれば、僕らは喜び、彼らは悔しがっていたでしょうね。そして引き分けで、僕らより彼らの方が喜んでいるのは確かでしょうね。相手にもチャンスはあったし。

Ocasiones (オカスィオネス)=チャンス

ここで久保選手は「alアル final フィナル ellosエージョス tambiénタンビエン tuvieronトゥビエロン ocasionesオカスィオネス.(最後の方では彼らにもチャンスはありました)」「Y conコン el エル empateエンパテ ellosエージョス seguroセグーロ que másマス contentoコンテント que nosotrosノソートロス, peroペロ tambiénタンビエン ellosエージョス tuvieronトゥビエロン ocasionesオカスィオネス.(そして引き分けで、僕らより彼らの方が喜んでいるのは確かでしょうね。相手にもチャンスはあったし)」と、この単語を何度も使っています。

Ocasionesには、「機会」「~の時」という広い意味で使うことができます。

たとえば、

 Ha actuadoアクトゥアード enエン numerosasヌーメロサス ocasionesオカスィオネス enエン televisiónテレビスィオン.テレビに何度も出演した。)

 というような表現でも使えます。単数「ocasión(オカスィン)」もよく使われる表現で、

 Tuトゥ tienesティエネス unaウナ ocasiónオカスィオン mejorメホール de ganarガナール. (あなたには勝てるより良いチャンスがある。)

 など使うことができます。

久保選手は、相手がしっかり自分たちを見すえ、人数が少ない中でもチャンスを逃さなかったという現状を冷静に判断していたのです。

それでは、上記の2つの例文をシャドーイングしてみましょう!
聞こえてきた通りにすぐに発音してくださいね。まちがっても全然問題なしです!

 

「自分にもチャンスがあった」試合の振り返り

久保選手は、動画のインタビューの終盤で以下のように話しています。

1:03~

久保選手:

Ya de alguna ocasión que les regalamos nosotros y nosotros también teníamos algunas ocasiones que incluso podíamos desear el partido incluida la mía. 
ジャ デ アルグーナ オカスィン ケ レス レガラーモス ノソートロス イ ノソートロス タンビン テアモス アルグーナス オカスィオネス ケ インクルーソ ポディアモス デセアール エル パルティード インクルイーダ ラ ア.
僕達が与えてしまったチャンスもありましたし、僕らにも、僕自身にも試合を決定付けるチャンスはいくつかありました。

久保選手は、ここで自分自身にも、試合をもっと前に引っ張ることのできるチャンスがあったと思っていたのです。

 

インタビューの最後に久保選手は、「enエン Valenciaベレンスィア damosダーモス la caraカラ buenaブエナ.(バレンシアでは良い表情を見せられるといいですね)」と話しています。

Cara Buena(カラ・ブエナ)で「良い顔」です。自分がおそらく渋い表情で試合を振り返っていたことに気づいたのでしょう。

 MOMに選ばれても、試合を冷静に振り返り、自分の悪かった点も含めて振り返っていた久保選手。その気持ちを記者にしっかりとスペイン語で伝えていました。今後も久保選手の使うさまざまな表現に注目していきたいと思います!

 

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